2022/05/11 11:00


本日は、ドライフルーツ「こどもギフト」で

ご報告しているレポートの一部を発信してみたいと思います。


このレポートは、寄贈者さんへのリターンとして

Facebook内非公開グループに投稿しているものです。


より多くの方々に社会にある現実を知っていただき、

ご自身なりのアクションをとるきっかけをご提供できれば

幸いです。


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▼ ドライフルーツ「こどもギフト」とは?

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まず、「こどもギフト」をご存知ない方向けに

当店を行っている「こどもギフト」のお話です。


ドライフルーツ「こどもギフト」は、

ソラシスで行っているドライフルーツを

児童養護施設の子ども達へ贈る事業です


寄贈者さんに「贈れる権利」を購入いただき、

毎月合算量のドライフルーツを

施設へ直接お届けしています。


■目的、方法などはこちらのページをお読みください:

https://solasis.official.ec/categories/3611906



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▼ 児童養護施設とは?

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”児童養護施設(じどうようごしせつ)”をご存知でしょうか。


親の病気、親の死亡、虐待など、何らかの理由により保護され、

親と離れて暮らす子どもたちが共同生活している施設です。


戦争があった時代は、社会的養護が必要な戦争孤児が社会問題でした。


その受け皿として”孤児院”がありました。

それが源流ですが、時代が変わり核家族化が進むと、

孤独な育児による親の精神疾患、

親の貧困や孤立による児童虐待

新たな社会課題となりました。


そうした社会的養護が必要な子どもたちの受け皿として

児童養護施設があります。


入所理由に1番多いのは「虐待」です。

その他、親の金銭的理由、病気の場合も入所対象となります。


こどもたちの年齢は、一般的に2歳〜18歳

入所時の年齢は、2歳、3歳の入所が一番多いといわれています。


0-1歳に保護された場合、「乳児院」という

赤ちゃんを養護する施設で育てられます。



児童養護施設に入所している子の30%弱は

乳児院を退所しての入所です。


最近の施設は「グループホーム」という

一般住宅で6人程度の単位で共同生活する

「家庭的環境」で療育する施設が多いです。



こどもギフトの寄贈先である

共生会さんの施設も全てこのタイプです。

https://www.kyousei-kai.com/

(写真)東京都江戸川区にある『江戸川つむぎの家』

https://www.kyousei-kai.com/tsumugi/index.html

写真は正面玄関。ぱっと見は一般的な3階建集合住宅です。

1人1部屋を持ち、6人単位で浴室やトイレを共同で使い生活しています。

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▼ 施設入所する子がいる場合

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虐待などを理由に児童相談所で保護された子どもは、

施設との面談を経て入所します。


学年が変わる4月のタイミングで入所することも多く

3月末に訪問した江戸川つむぎの家でも、

この時期新たに入所する子が複数名いると伺いました。


新たに子どもが入ってくる場合、

入所するお子さん達、在園児たちは

どのような様子なのでしょう。


《施設Aの場合》

新規入所児がいる場合、予め在園児へその子の年齢、

名前などを共有します。


そして、入所すると歓迎会を開き温かく迎えるそうです。


新しく入った子は初めての施設で戸惑いがあり、

初めは夜泣きや熟睡できない時期が続くそうです。



でも、暴力のない安全性が保たれる環境でもあるため、

時間とともに睡眠をとれるように適応していくそうです。


入ったばかりの子どもは、

大人に甘えた経験が少ない子が多いです。


そのため、施設ではまず大人の職員さんが

こども1人1人の相手になり、

たっぷり話を聴き甘えさせることで、

大人との愛着関係、信頼関係を構築することが大切で

施設でもそれを最優先しています。


たっぷり大人が傾聴し、

子どもたちの心のコップに水を注ぎ続けること。


子育てにおいてとても大切なことですね。



見ず知らずの土地で、見ず知らずの人たちと暮らすことになった

子どもたちは不安いっぱいです。


大人が少しずつ子供たちの話を聴きながら

信頼関係を結んでいくこと。



その積み重ねが、心理的安全性のある環境を担保していく。


新たな子どもを受け入れる施設では、

そうした職員さんの努力なしに

安心な居場所をつくることはできません。


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▼ 施設退所者がいる場合

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児童養護施設は、満18歳までと対象とした施設であるため、

18歳の年度末になると退所しなければなりません。


その前に親と一緒に暮らすことになったり、

里親に養育されたりと、施設を退所する子もいます。


そのため、毎年のように卒園していく子もいて、

子どもたちは多くの出会いと別れを施設の中で経験します。


お別れの時は「お別れ会」を施設全体で行い送り出すそうです。


18歳で退所する子どもたちの「お別れ会」の動画を

見せていただいたのですが、


巣立っていくお兄さん、お姉さんが一芸を披露したり、

職員さんや在園児1人1人へ

感謝のメッセージを伝えていて心にくるものがありました。


兄弟同様、長年一緒に暮らしてきた子ども達が

「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」

と泣きながら抱きつく様子が、

愛情を受けて育った、彼ら彼女らの施設生活を

物語っていると感じました。


18歳というのは、高校を卒業したばかり。


親元へ戻る人はほとんどいないため、

身元保証人もいない、

頼れる大人がいない状態で

突然一人生活することになります。


ずっと施設で生活してきた子は、

一般家庭の生活を知りません


公共料金を支払わなければならないこと、


食事は自分で用意しないとならないこと。


小さなこと1つ1つが初めてな上、

突然集団生活から一人生活への変化で、

強い孤独感を感じる子も多いといいます。


それに加え、親から守られない環境になるため、

疎遠だった親との距離も課題となります。


施設出身者の友人と話すと

「退所後の人生の方が大変」

と口にする人が多いのも、

こうした課題からです。



個人的に、こうした若者へ提供できる

安全な居場所の確保、就労支援は

急務として取り組む課題だと感じます。


(写真:ドライフルーツ寄贈時の写真)

このように、児童養護施設で暮らすこども達は、

一般家庭で育つ子どもよりも

頻繁に出会いと別れに直面しています。


これをお読みの方の中に

先月4月からお子さんがひとり暮らしをされている方、

ご自身が引越、転校、転職された方

何らかの環境変化に不安がある方

がいるかもしれません。



そのような方には、こうして施設で暮らすこどもたちのことを

思い出してほしいです。


最後、一言だけ言わせてください。


児童養護施設の子どもたちは、

社会的に「可哀想」「気の毒」「援助対象」のような

”弱者”として見られがちですが、

実際そういう子たちではありません。


社会的養護が必要な環境にいたというだけで、

その子たち自身は明るく元気な、

どこにでもいるような子が大半です。


昨年「親ガチャ」という言葉が流行りましたが

(個人的に好きじゃない言葉ですが)

子どもは親を選べません。



自分がこうした境遇にあったかもしれません。



それは、誰にもわかりません。



現在、日本には施設で暮らしている子が約3万人いて、

あなたの近所にもこうした施設があるかと思います。


今まで気に留めていなかったこうした子ども達の存在を、

当店を通して知っていただき、

ご自身なりにできることをアクションするきっかけに

していただければ、私も嬉しいです。


こどもギフトへのご参加もお待ちしています。^^

またこうした情報もお届けしていきますね!


店長

オカ田村亜樹子


□■□■□社会的養護下にいるお子さん、働くスタッフさんへドライフルーツをプレゼントしませんか?■□■□■□■□

ドライフルーツ『こどもギフト』は、
購入者様に購入いただく分のドライフルーツを合算し、
都内の児童養護施設へ寄贈をする事業です

100g1,000円〜寄贈ができます。


小さな力でも、皆さんの力が集まれば大きな力になります。
毎月でも1回きりでも構いません。

皆さんのお気持ちを届けてみませんか。

寄贈者さまへは、寄贈先の施設で伺った話など
社会的養護について理解を深めるお話をお届けできればと思います。


①毎月100g贈る権:


②毎月200g贈る権:


③毎月400g贈る権:


④1回だけ贈る権(1kg分):