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2021/10/08 11:40
「食品ロス」という言葉をご存じでしょうか。
これは「まだ食べられるのに廃棄される食品」のことです。こうした食品の廃棄は、現在人類が抱える社会問題の1つです。
■世界の年間食品廃棄量:
世界では、年間約13億トンの食料が廃棄されています。この量は、人が消費するためにつくられた食料全体の約1/3にあたる数値です。つまり、人のために育てられた食べ物の約30%は、売れ残り、規格外、食べ残し、賞味期限が近い等の理由で企業や家庭から捨てられてしまうのです。
■日本の食品廃棄量はどれぐらい?
日本国内では「年間2,550万トンの食料が廃棄」され、そのうち食品ロスは約612万トン(平成29年農林水産省統計)といわれています。そのうち54%(328万トン)が事業系廃棄、46%(284万トン)が家庭からの廃棄です。
私たちの家庭から出る廃棄284万トンは、人口1人あたり、毎日お茶碗1杯分の食料を捨てているのに等しい量です。
一方、世界ではお茶碗1杯分のご飯にもアクセスできず、慢性的な栄養不足で苦しむ人々、つまり飢餓状態の人々がいます。
世界の人口は約77億人。そのうち、飢餓人口は約6億9000万人といわれ、11人に1人が飢餓に苦しんでいます。
■世界には食べ物が足りないの?
これは世界に食べ物が足りないからでしょうか。答えはNOです。
世界では毎年26億トンの穀物が生産されています。これは世界の77億人へ分配されると、1人あたり年間340キロ以上はお腹を満たせる量です。つまり、食べ物は十分足りているのです。
■じゃあ、なぜ世界には飢える人がいるの?
飢餓の原因の1つが、私たちが住む先進国の食料廃棄です。
これの何がいけないのかというと、廃棄食品の埋め立てや廃棄には非常にコストがかかる上、年間約33億トンの不要な二酸化炭素(CO2)が排出されてしまうからです。CO2により地球温暖化、気候の変化や異常気象が起こります。
そうすると食べ物をつくる環境が厳しくなります。
その影響を一番に受けるのは、アフリカなどの最貧国の人々、とりわけ気候により生産量が左右されやすい農家の人々です。
貧困層の70%は農業従事者といわれており、異常気象による不作は致命的。
世界のCO2排出量の大半は、先進国や新興国が出したものである一方、アフリカ全体の排出量はわずか3.5%。
私たちの身勝手な暮らし方が、こうした途上国の人々の暮らしを脅かしているのです。
皮肉なことに、先進国に住む私たちは、毎年サハラ以南アフリカの全食料生産(2億3000万トン)とほぼ同量の食料(2億2200万トン)を、食べ残しや賞味期限切れなどの理由で捨てています。
私たちの食品廃棄が招くものは、アフリカ等途上国の農家不作、そしてそれがもたらす飢餓なのです。
以上が、世界と日本の食品ロスの現状です。
どうでしたか?
今日あなたは食べ残しを捨ててしまったり、買ってた野菜を腐らせて廃棄し、食べ物を捨ててませんか?
地球で暮らす人間ひとりひとりが、同じような行動をすることで、世界規模で見ると凄まじい量の食品が廃棄され、
その廃棄で温暖化が進んでいるんです。
じゃあ、食品ロスを減らす上で、わたしたちにできることは何でしょうか?
それを次回一緒に考えてみましょう。
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